陰謀論商法のシステムがわかったのでレポートさせてくれ

とあることから、陰謀論商法のシステムがわかったのでレポに残す。

まずは事の経緯から。わたしの娘はワクチン長期副反応で『慢性疲労症候群』状態だ。学校も、長らく行けていない。情報収集のため、Twitterを始めたのだが、先日、追いかけていた長期副反応の方が「最近調子がいい」と言い出した。その後、「実はヨウ素を飲んでいた。この1か月不調はほぼない。もし情報が欲しい人がいればDMを」と言った。

私は娘のために、藁にもすがりたい気持ちだった。怪しい民間療法だろうが、治ったと感じる原理が知りたかった。すぐにヨウ素を作っているらしい会社の講演会を聞きに行った。講演会を聞けばヨウ素を1か月分もらえるらしい。さらに体調がよくなる機械を無料で試せるとのことなので、娘と夫も連れて行った。

まず、講演会の前に『パンドラ』という機械をつけられる。それをつけると、体内のプラスとマイナスが壊れている部分が正常に戻されるため、体調がよくなるのだそう。わたしは前日夜中までネトフリを見ていたことから、治療中は最初から最後まで爆睡していた。そのため、何が効いたのか全然わからなかった。しかし、娘は「身体が軽くなった!」といい、夫は「腰痛が治った!」と言った。
パンドラの月額リース料は3万円だそうだ。思わず、「あれ電気治療器じゃん。整骨院とかにあるやつ。欲しいならオムロンの電気治療器を買うから、ここで借りないでよ」と言ってしまった。調べてみると、オムロンが公式で電気治療器を『慢性疲労症候群』に効果的と謳っていた。まさしくわたしはこういう情報がほしかった。ありがとうパンドラ。はるばる講演会まで出向いた甲斐があった。

次に、講演会の内容はほぼほぼ陰謀論の常套句。「コロナは嘘」「がん治療は嘘」「日本は世界で一番治安が悪い」などと言っていた。何かと、「ここね、もうレポートが出てるんですよ」と話していたが、誰の何のレポートなのか一度もソースが出てこなかった。さらに「NHKで実際に放送された映像です」と言って、どう見ても素人が作った動画を流したり、いらすとやのイラストを使用した出典元が謎のデータが出て来たりと、やりたい放題だった。だが、およそ400人いる参加者たちは何度も声を出して笑っていた。見る限りほとんどが50〜60代。ただし、話の構成としては非常に完成されていた。先ほどの治療で爆睡したわたしも思わず聞き入るほど内容は面白くて聞きやすい。嘘と真実が巧妙に混ぜられていて、これは言葉を額面通り受け取る『発達障害ホイホイ』だなと思った。そもそも、『ガン』と『ワクチン長期副反応』が同じくくりにされていること自体超でかい釣り針なのだが、なぜか日本政府の仕組みや世界の標準治療と比べて、うまいこと信じられるような構造ができていた。

講演会の目的は、表向きは「パンドラのリース(月額3万円)」と「ヨウ素の配布(2か月目から月3万円)」。主にがん患者に標準治療をさせないで、こちらを利用させる。裏の目的は、おそらくビッグデータの収集。個人情報(住所・電話番号・LINE・メールアドレスなど)を全部抜かれるので、陰謀論にお金を払う人たちとしてカモにされるのだと思われる。その証拠に、その会社は未上場にも関わらず、株を販売している。もはやそれを株と呼んでいいのかすら謎だが、ハマればハマるほど金を搾取されるシステムなのだ。

講演会での真実の話というのは「笑っていれば免疫力があがる。笑いましょう」「添加物を取りすぎず、良質な食事をとりましょう」「22時~2時には睡眠をとりましょう」「お風呂に毎日つかりましょう」といったもの。確かにこれをやっていれば、それまでやってなかった人たちは自ずと健康になると思う。

思わず「これは効果的だ!」と唸ってしまったのは、社長が、「講演会に来た人にひとり10万ずつ払おうかな? それでがん患者が救えるなら僕払いますよ! 4千万かかりますけどね!」と話していたことだった。会場は非常に沸いていたが、4千万円で延々と客寄せパンダが来るなら安いCMですね!!と、思った。

ついでに言うとわたしは仕事柄『医療広告ガイドライン』に詳しいが、製薬会社と謳っておきながら死ぬほど違反していた。社長は最後に、「あなた達にやってほしいことは、がんの標準治療は嘘と教えて、ヨウ素とパンドラのことをたくさんの人に伝えてあげてほしい! それだけです!」と言っていた。
シンプルネズミ講で草

以上が、本日のレポとなる。
ただ、わたしは何かを信じることが生きる糧になるのなら、宗教だって陰謀論だって、信じていいと思っている。

とにかく生きてりゃなんだっていい。
そう思いつつ、明日も娘の治療法を探す。